カギは施錠と解錠がセットのツールです。それによってセキュリティーが保たれているわけですから、もちろん文句を言う筋合いではないと頭ではわかっているのです。
しかしどれだけ必要なことなのだから仕方がないと思ってみても、カギの施錠と解錠は面倒なことに変わりありません。しかもたとえば解錠であるならば、そんなに面倒なこともなく、簡単に解錠できてしまうシステムであればセキュリティー上大丈夫なのかなという気もしてきますから、安心感という意味で、ある程度面倒なのも我慢できるというものでしょう。

しかしこと施錠についていえば、たとえば犯罪目的で他人の家の鍵を、無理やりなんとか施錠しようという状況は考えにくいものですから、多少なりとも簡素化して良いのではないかという気がしてくるのです。
解錠については仕方ないとしても、施錠は簡単にできるカギのシステム。いかにも無精者の人間が考えそうなことですが、たとえばオートロックというシステムがまさにそれに該当しています。オートロックは門扉を閉めるだけで自動的に施錠してくれるシステムであり、たいていの場合電子制御されています。パソコンのスリープ状態や、ログオフでは求められないパスワードは、通常ログイン時には必要となるシステムもまた、オートロックの一種と言えるのではないでしょうか。
ちょっとそこまでゴミを捨てに行くときや、郵便を取りに行くだけのためにいちいちカギをかけていられないという気持ちは、無精者でなくてもあるはずです。しかしどれほど短時間であったとしても、無施錠のまま家を空けるは危険であることに変わりがありません。

「つい、うっかり」によるトラブルを未然に防ぐのも、防犯セキュリティーシステムの重要な役割の一つであるとするならば、オートロックに代表されるシステムは非常に有効であると言えるでしょう自動車のスマートキーシステムなどが、住宅のそれにも導入されているのです。