マンションの1階で顔なじみの宅配便のお兄さんと会い、うちへの荷物もあったので一緒に上まで上がってもらった。話しながら上にあがったものだから、自宅前に来てカギを準備していないことに気が付いた。1階では丁度、カギを出そうとした瞬間に集合玄関のオートロックの所で、宅配便の彼が他の住人にカギを開けてもらうところだったから、そのままカギを出さずに通り抜けたのだ。カバンをごそごそ漁ってカギの束を取り出す。更にここでも、事務所のカギと自宅のカギの形状が全く一緒で紛らわしいのだ。自宅のカギを見つけてやっと玄関の鍵を開け、靴箱の上に常備してあるシャチハタ印をお兄さんに渡し、運んできてもらった荷物と交換した。

事務所も自宅もどちらも賃貸だから、カギを自由に替えることはできない。それにそれぞれのカギの形状が全く一緒でも、割と新しいタイプのカギだと思うから、セキュリティ的には問題ないのだろう。後は自分で使い分けるしかないのだが、一時期カギに、自分で自宅用と事務所用の別を書いた紙を貼ってみたのだが、すぐにはがれて粘着部分のベタベタだけが残って却って嫌な目にあった。会社の女の子のアドバイスのように、どちらかのカギに何か特徴のあるキーカバーを付けるしかないのだろうか。その女の子が見せてくれた自分のカギには、黒い猫のキャラクターがデザインされた可愛いカバーが付けられていた。こんなに可愛らしいのはさすがにごめんだと言ったら、カギのカバーは色々あって、男性が持ってもおかしくないものも出ているという。

カギは毎日必ず使うものだから、それを使う際にいちいち手間取っているようでは時間のムダだ。男はシンプルに、余計なものは持たないというのが自分のモットーでもあるが、スマートに日常を進めるためには、カギのカバーを使うのも致し方ないのだろうか。